境界性パーソナリティー障害 徒然日記

自傷行為をやめ続けられているのはなぜだろう?

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かつて、自傷行為に明け暮れていたことがある。
15歳の高校一年生、母親が蒸発した時に「負荷の証」としてリストカットをしたのが初めての自傷行為だった。

それからは心の辛さを紛らわせるために自傷行為をした。
時に現実逃避の手段として自傷行為をした。

しかし、今は自傷行為は何年か止まっている。
いや、止めているといったほうが正しいだろう。

なぜ自傷行為をやめられているのか考えてみたい。

辛さを軽減してくれる存在

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わたしにとって自傷行為は心の辛さから解放してくれる存在だった。
辛さから逃れたくて、リストカットに明け暮れた。

いわば、現実逃避の手段だった。

ひととき静かに眠るために、オーバードーズ(大量服薬、OD)をした。

時に本当に死ぬためにオーバードーズしたこともある。
飲む薬はその日診察でもらってきたばかりの一か月分の処方薬だった。

 

病気仲間の人に「薬飲んじゃった」と電話して迷惑をかけたこともある。
その人は必死になってわたしを助けようと行動してくれた。

救急車を呼んでくれて、胃洗浄。
わたしは何日か眠っていたと思う。
その後、精神科に入院した。

しかし、待っていたのは幻覚だった。
虫が見えたりして、せん妄という状態になった。
それでも守られた場所にいられることは、その時のわたしには必要なことだったのだろう。

 

心が辛くて、耐えられなくて、行動に移す。
それがわたしの中で定石となった。

自傷行為は確かにその時のつらさから解放してくれる存在だった。

問題が解決したわけではない

問題が解決したわけではないの画像

自傷行為は心の辛さから解放してくれたが、それはそのとき一瞬のことだった。

今の生活を一度リセットして、やり直すための手段になっていた。
もともとあった問題が何一つ解決していないことに気が付く。

いや、むしろ自傷行為したことで問題解決を後回しにして迷惑もかけており、問題は大きくなっていた。

一瞬解決してくれたように感じたけれど、自傷行為ではもともとあった問題を何も解決してくれたわけではなく問題を増やしていたことに気が付いたのである。

逃げていても仕方ないと気が付いた。
つらさから目をそらしても、何も解決しない。

スガカオル

一人で解決しようとするから自傷行為になってしまうことにも気が付いた。

わたしに必要なのは一人でどうにかしようとして自傷行為するのではなく、安全な人による手助けだった。

しかし、上手に頼ることができなかった。
頼り方を知らなかったのだ。

問題解決したいのに繰り返してしまう。
そんなことが続いていた。

大切な人の死がターニングポイントに

大切な人に死がターニングポイントにの画像

とあるバイトをしているときに、高校の後輩に出会った。
その子が同じ部活の後輩が病気で亡くなっていたことを教えてくれた。

その子はわたしのことを初めて好きになってくれた人だった。
何度も告白されたけれど、わたしは別の人を選んだ。

彼のまっすぐな愛情表現に戸惑っていたのだ。
そんな愛情表現を知らなかったからだ。

そんな彼が、わたしが自傷行為を繰り返している間に亡くなっていたということはショッキングな事実だった。

わたしは何をしていたのだろう?

スガカオル
大切な人が死んでしまったのに、わたしは自ら死に向かおうとしている愚かさに自分を責めた。

もう戻ることはできない。
好きだと言ってくれていたあの頃にも、「先輩は強いのか弱いのかわからないや」と言ってくれた顔にも、もう会えない。

確実に、現実と向き合うことに逃げていた自分を恥じた。
彼の死は私の中で大きな出来事だったが、自傷行為に明け暮れていたために知ることが遅くなったと感じた。

変わらないと、逃げてはだめだ。

わたしは自傷行為でリセットすることを辞める努力を本格的にし始めた。

それからも何度か自傷行為をしてしまったこともある。
それでも現実と向き合った。
問題と向き合った。

そうして自傷行為をやめ続ける日々が生まれ出した。

自傷行為は依存症状

自傷行為は依存症状の画像

自傷行為は繰り返していく。

いつの間にかリセット癖がついてしまう。
そのくらいにリセットするには効果的である。

しかし、生活は地続きである。
ゲームみたいにリセットはできなくて、その後も生活は続いていく。

リセットしたと思っていても、それは誤認であり、問題の先送りをしているに過ぎない。
遅らせた分、さらに自傷行為をしたことで問題が複雑に肥大化していくのだ。

それはまるでお酒を飲みすぎて内臓と人間関係を悪くしていくみたいな依存症と全く同じだ。

わたしは自傷行為をやめ続ける努力をする。
後悔はもうしたくないから。

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スガカオル

ライターのスガカオルです。 精神障害当事者として発信をしています。 「Jonny Cafe」というオリジナルブランドのハンドメイド作家としても活動しています。 趣味はアコギの弾き語り、お笑いを観ること。

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